内村鑑三の再臨信仰 − その紹介と批判 −

『内村鑑三の再臨信仰』−その紹介と批判−
岩谷 元輝 著
A5版 350p. 紙装丁
ISBN: 4-900448-16-8

内村鑑三の信仰は、「聖書全部神言説」或は「聖書無謬説」なるものを基礎そし、ここから出発している。聖書に書いてあることをそのまま信ずるのが真に敬虔なるキリスト教徒だと内村は確信していた。一方で内村は、己の信仰は「実験」(実際の経験という意味内村語)によって得たものだ、とその著作の中で繰り返し述べているが、本書の著者はそれを疑う。内村の宗教的経験は貧弱であった。(『余は如何にしてキリスト教徒となりしか』参照)。自分の信仰は「実験」によると口癖のように言ったのは、その「実験」の貧しさを、恐らく自ら知る故に、敵の攻撃から守ろうとしたものと著者は推測する(実際は内村の「実験」を貧しいと批判した人は殆ど一人もいなくて、各人一様に『余は如何にして』を読んで恐れ入ってしまうのは不思議なことである)。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」とか、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とかいう諺は宗教的真理を我が物とする時の人間心理の有りようを説明する時、最もその意味が生きて来るが、内村は虎穴に入らずして虎児を得、身を捨てずして浮かんだ人であった。即ち、虎児を得もせず、浮かびもしなかった、と筆者は見る。 見る根拠は内村の聖書註解全集の随所に見られる甚だしく誤った聖書解釈である。その誤りの中でも最も甚だしいものが内村の『再臨信仰』であると見る著者は、本書一巻の全てを挙げてその批判に捧げている。内村が是か、著者が非か、世評に毒された先入観に依ってではなく、本書の中に提供されてある内村自身の言葉及び著者のコメントを材料として、読者諸氏の目で、論理で、御判断下さることを著者は切に望んでいる。
型番 TO-26
販売価格 2,400円(税218円)
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