英作文の実際的研究 −短文中心のアプローチ−

『英作文の実際的研究』−短文中心のアプローチ−
小林 永二 著(奈良大学名誉教授)
A5判 167p. 紙装丁・指導書付
ISBN: 4-900448-13-3 & 4-900448-17-6

英作文の難しさは、 実際これに CHALLENGE してみた人でないと、中々理解出来ないものがある。 与えられた和文を、 日本語とは語族 ・ 語系を全く異にする英語に置き代える作業には、 立付けの悪い格子戸を無理矢理閉じようとするのに似た所がある。 中々うまく収まってくれないのである。 成程、 英作文征服の王道 ( royal road ) はないが、 併し、それなりの 「 コツ 」 ( knack ) は、やはり存在する。 「 敵 ( 英語 ) を知り、己 ( 日本語 ) を知らば、戦 ( 英作文 ) に勝つ 」 という次第である。 永年慣れ親しんで来た日本語の呪縛から自らを解き放ち、日英両語の何れにも組せず、第三者立場から、それらと等距離外交の姿勢を常に保ち続けることが重要である。 そのことから、客観的な 「 比較 」 という視点が初めて生まれてくる。 日英両語を、その発想法、表現法は言うに及ばず、細かな語法の隅々に至る迄、種々な角度から冷静にこれを 「 比較 」 し得る人は、英作文の大半をすでに征した人と言い得るであろう。 本書は上述の意味に於ける 「 比較 」 の視点に立って一貫した叙述が行われている。
第一章では英語表現の諸相と言うことで、名詞表現を中心に、§1〜§5の五項目に分けて、日英語の差異が論じられている。
第二章では、特に修辞法 ( rhetoric ) の面から、「 比喩 」 表現や、 idiom, 各種修辞構文が爼上に乗せられている。
第三章では、従来コトバが文化から隔離されて学ばれて来た傾向を排し、英語国民の生活と文化を通し、再度英語に対する読みを深くしたいとの意図で書かれている。俗語 ( slang ) なども従来稍もすれば窓際族の立場に置かれて来たが、§2で、これを積極的に採り上げ、英語国民の生活や心情を知る縁とした。
付録として、語学関連知識一覧を設けてみた。英語のみならず、広く外国語一般に対する興味と関心がこれにより倍増されん事を願った次第である。最後に、本書が学生諸君のみならず、社会各層の人達に英語学習の助っ人的役割を幾分なりとも果たせれば、筆者の幸甚と存ずる次第である。
最後に、「 長文は悪文なり 」 との筆者の信念が、〜短文中心のアプローチ 〜 なる本書サブタイトルを生み出した所以であるが、無駄の無いコンパクトな英文を書くための「 コツ 」 を是非本書より学んで頂きたい。
型番 TO-23
販売価格 2,701円(税246円)
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