英語圏各国英語比較研究 − 世界の英語 鳥瞰図 −

『英語圏各国英語比較研究』−『世界の英語』鳥瞰図−
A Comparative Study of Country-by-Country
English in the English-speaking World−
A Bird's-Eye View of English around the World.−
小林 永二 著(奈良大学名誉教授)
A5判 300p. 紙装丁
ISBN: 4-900448-25-7

世に英語史・英語学に関する入門書・研究書は数多い。これは欧米でも、 日本に於いても同様のことが言える。更に、方言(dialects)の分野で考えてみても、英国での方言研究の歴史は古く、研究の成果にも見るべきものが多い。一方、米国に於ける方言研究は、漸くその緒につき始め、若干の価値ある研究書が上梓されつつある。ところで、方言(dialects)とはその性格を異にする英語の「変種」(varieties)という段になると、未だこの用語自体も、専門家は別として、一般の英語学習者の間にも十分に浸透していないのではないかと思われる。 況してや、英語の各「変種」をテーマとし、世界的に網羅して取扱った入門書・研究書は殆ど皆無に近いと言ってもよい。
本書では、英語諸島 ( The British Isles ) の変種英語であるアイルランド英語、それにスコットランド方言、ロンドンの下町言葉であるコクニー方言 ( Cockney ) 等を採りり上げ、北米大陸の2大変種、アメリカ英語とカナダ英語に及び、更に大洋州のオーストラリア英語とニュージーランド英語、アフリカ大陸では南アフリカ英語、アジアでは、インド亜大陸のインド英語を採り上げ、その 「発音」・「文法」・「語彙」の3大分野に亘って具体的に論述を繰り広げた。 終章(Epilogue)では、英語の世界的拡大使用に伴って、その分化(differentiation)や分岐(divergence)も進むのではないかとの予測にも鑑み、英語を現地語との混交(mixture or blending)から成るピジン英語(Pidgin English)や、世代の交代を経てそれが母語として使われるようになったクレオール英語(Creolized English)に就いても論じた。 従来の英語発達史に見るような時間的な「縦の歴史」(vertical history)でなく、英語の横の広がりに視点を据えた空間的な「横の歴史」(horizontal history)を描いた点こそが本書のユニークさであり、必読に値する所以でもある。
本書は、英語の何れかの「変種」(varieties)を研究して居られる専門家は言うに及ばず、社会人、学生の別なく、一般に広く英語学習に日々研鑚されている全ての人達にとって、必ずや「座右の書」となるであろうことを筆者は確信している。
型番 TO-20
販売価格 3,400円(税309円)
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